「許可がないと、どんな工事でも違法になるのだろうか」
建設業許可の話を聞くと不安になるかもしれませんが、軽微な建設工事だけを請け負う場合など、許可が不要な範囲もあります。大切なのは、自分が受ける工事に許可が必要かを、契約前に確かめることです。
この記事の結論
許可が必要な工事を無許可で請け負うと、建設業法違反として刑事罰の対象となります。一方、許可が不要な工事もあります。工事内容、税込金額、支給材料などを確認し、許可の要否を判断しましょう。
無許可営業には、どのような罰則がある?
建設業法第47条では、必要な許可を受けずに建設業を営んだ者について、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が定められています。事情により、両方が科される場合もあります。
また、法人の業務に関して行われた違反では、行為者とは別に法人にも1億円以下の罰金が科される規定があります。
これは罰則の上限を示すもので、個々の事案でどの処分になるかを一律に決めるものではありません。「初めてだから」「今回だけだから」と許可が不要になるわけではない点を押さえておきましょう。
まず、自分の工事に許可が必要か確認する
建築一式工事以外では、1件の請負代金が税込500万円未満なら、軽微な建設工事の範囲です。500万円ちょうどは含まれません。建築一式工事には、税込1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事という別の基準があります。
例えば、税抜460万円の内装工事は、消費税10%を加えると506万円になります。税抜価格だけを見て判断しないようにしましょう。
注文者から支給される材料の価格や運送費を加える場合もあります。同じ工事を正当な理由なく契約分割しても、合計額で判断されます。
元請の許可や、申請中の状態では代わりになりません
下請工事であっても、自分が請け負う工事に必要な許可を確認します。元請が許可を持っていることだけでは、自分の許可の代わりにはなりません。
また、申請書を提出した段階は、許可取得済みとは異なります。許可が必要な工事は、着工までではなく請負契約を結ぶ前に取得しておくことが基本です。
すでに別業種の許可を持つ場合も、今回の工事に対応しているかを確認します。
その後の許可取得や取引にも影響します
建設業法違反で罰金刑に処せられた場合などは、刑の執行を終えた日等から5年間、許可の欠格要件に該当することがあります。刑や処分の内容によって判断が必要です。
取引先との関係でも、契約や工事の進め方について調整が必要になる場合があります。後で許可を取っても、過去の無許可営業がなかったことになるわけではありません。
すでに契約してしまった可能性がある場合
まずは契約書、見積内訳、支給材料の内容、契約日などを整理し、事実関係を確認します。書類の日付や金額を後から変えてつじつまを合わせることは避けましょう。
許可の要否は行政庁へ確認し、違反や契約上の対応が問題になる場合は弁護士などに相談して、対応を検討します。
許可がないこと自体で、すべての工事が違法になるわけではありません。許可が必要な内容・金額かを契約前に確認することが、無許可営業を避ける基本です。
受注の見通しが立った段階で確認を
金額が基準に近い工事や、これまでと違う内容の工事は、見積段階で許可の要否を確認しておくと、日程を考えやすくなります。
これからの許可取得について迷う場合は、行政書士に要件や準備を確認する方法もあります。契約の予定と合わせて、無理のない進め方を整理しておきましょう。
関連記事
参考資料
建設業許可について詳しく知りたい方へ
建設業許可の要件・費用・申請の流れなど、初めての方にもわかりやすくまとめています。
