「建設業許可を取るなら、先に法人化した方が得なのだろうか」
一人親方として仕事が増えてくると、許可の取得と会社の設立を同時に考えることがあります。ですが、どちらがよいかは売上だけで決まるものではありません。今後の受注や人を雇う予定、日々の事務負担まで含めて考えたいところです。
この記事の結論
建設業許可は個人事業主でも取得できるため、許可のためだけに法人化する必要はありません。法人化を予定している場合は、設立・維持の費用と、許可の申請や引継ぎの手間を合わせて比べ、進める順番を考えましょう。
個人のままなら、今の事業を続けながら取得を考えられます
個人事業主でも、経営経験、技術者、財産的基礎などの要件を満たせば申請できます。法人を設立する費用や、会社の管理事務を新たに負担せず、今の事業形態で許可の取得を検討できます。
例えば、当面は一人で内装工事を続ける予定で、元請からも法人化を求められていない場合、許可を取ることと会社を作ることを一度に進める必要はありません。
ただし、個人で取得しても、許可の更新や毎年の届出などは必要です。
法人化は、これからの事業の形に合うかで考える
今後、従業員を増やしたい、共同で事業を営みたい、法人との契約を条件とする取引先を開拓したい、といった予定があれば、法人化も検討の対象になります。
例えば、新しい元請が「許可を持つ法人」との取引を条件としているなら、個人の許可だけでは、その条件を満たせません。許可と法人化、それぞれ何を求められているか確認することが大切です。
一方、法人を設立しただけで許可要件を満たすわけではありません。役員の経営経験や技術者など、申請に必要な条件は別に確認します。
税金だけでなく、毎年かかる費用と手間を比べる
法人化では、設立時の登記などの費用に加え、会社としての会計・申告、役員変更等の手続きも考える必要があります。
社会保険の取扱いも変わります。法人の事業所は、事業主のみの場合を含め、常時従業員を使用する場合、健康保険・厚生年金保険の加入が原則として義務となります。自分の事業での適用や負担を確認しておきましょう。
「売上がいくらを超えたら必ず法人が得」と一律には判断できません。税金は利益や家族の状況などでも変わるため、税務面は税理士、社会保険は年金事務所や社会保険労務士などへの確認も判断材料になります。
許可を取ってから法人化するなら、引継ぎを事前に確認
個人で受けた許可は、会社を設立しただけで自動的に法人へ移るものではありません。法人での新規申請や、事業承継の認可制度を利用できるかを検討します。
承継には事前の手続きが必要になるため、「会社へ事業を移してから許可を考える」という順番では、予定どおりに進められない場合があります。
例えば、近く法人化する予定があるなら、個人で許可を取ってから引き継ぐ場合と、法人で新規申請する場合の費用・時期を比べます。許可が必要な契約日と、事業を法人へ移す日を並べて考えることが大切です。
個人か法人かは、許可の取りやすさだけでなく、今後の取引、人員、費用、事務負担から判断します。法人化の予定がある場合は、許可取得と引継ぎの順番まで含めて検討しましょう。
今後の予定を整理してから、進め方を比べる
まずは、許可が必要な時期、法人化したい理由、人を雇う予定を整理してみましょう。目的がはっきりすると、今決めることと、後から考えられることを分けやすくなります。
許可の手続きや順番に迷う場合は、行政書士に確認する方法もあります。税務などの確認結果と合わせて、自分の事業に合う進め方を考えられるとよいでしょう。
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