「住宅の仕事をしているから、建築工事業を取ればよい」とは限りません。新築を一棟まとめて請け負う場合と、その現場で木工事だけを担当する場合では、必要な許可の考え方が変わります。
この記事の結論
建築工事業は総合的な企画・指導・調整のもとで建築物を建設する「建築一式工事」、大工工事業は木材の加工や取付けなどを行う専門工事の許可です。会社の呼び名や建物の種類だけでなく、実際に請け負う工事の内容で判断します。
建築一式工事は「建物全体をまとめる仕事」
建築一式工事は、複数の工事を総合的に企画・指導・調整しながら建築物を建設する工事です。施主から住宅の新築を一棟まとめて請け負い、各専門業者を調整して完成させるような仕事が典型例です。
ただし、複数の工種が含まれていれば、すべて建築一式工事になるわけではありません。 リフォームでも、名称や見積書の「一式」という記載ではなく、工事の規模・内容や請負範囲から判断します。
大工工事は「木材を加工・取り付ける専門工事」
大工工事には、木材の加工・取付けによって工作物を築造する工事や、工作物に木製設備を取り付ける工事などが含まれます。大工工事のほか、型枠工事、造作工事も例として挙げられています。
たとえば、住宅の新築現場で木工事だけを下請として請け負う場合、建物全体が新築であっても、自分が請け負う部分は大工工事として考えます。一方、内装仕上げや建具の取付けなどは、内容によって別の業種との区分を確認する必要があります。
建築工事業の許可だけで何でも請け負える?
建築工事業の許可は、すべての専門工事を金額にかかわらず単独で請け負える許可ではありません。たとえば大工工事だけを税込500万円以上で請け負う場合、建築工事業の許可があるから大丈夫とはいえず、大工工事業の許可を検討します。
許可が不要となる軽微な工事の基準も異なります。大工工事などの専門工事は原則として1件税込500万円未満です。建築一式工事は、1件税込1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事が基準になります。木造住宅の範囲にも定めがあるため、「木造なら何でも150㎡未満でよい」という意味ではありません。
許可を取るには、業種に合った技術者が必要
どちらの業種でも、経営体制や財産的基礎などの共通要件に加え、その業種に対応する営業所技術者等が必要です。
資格を使うのか、実務経験で証明するのかによって準備が変わります。「住宅工事に長く携わった」というだけではなく、一棟全体の施工をまとめた経験なのか、大工工事の経験なのかを、契約書や工事資料と照らして確認することが大切です。
許可業種は「建築会社」「大工」という呼び名ではなく、実際の請負範囲から選びます。建築一式工事の許可が、専門工事すべてをカバーするわけではありません。
よく請け負う工事から整理してみましょう
業種の選び方に迷う場合は、最近の見積書や契約書を数件用意すると、仕事内容を整理しやすくなります。行政書士に確認する際も、現在の仕事と今後受けたい工事を伝えることで、必要な業種や経験資料の見通しを立てやすくなります。
関連記事
- 建設業許可の29業種一覧とそれぞれの違い
- 建設業許可の業種追加はどうやる?
- 専任技術者(専技)になれる資格・実務経験まとめ
参考資料
建設業許可について詳しく知りたい方へ
建設業許可の要件・費用・申請の流れなど、初めての方にもわかりやすくまとめています。
